古生物学とは? −古生物の部屋

古生物学とは?

古生物学

古生物学とは、過去に生きていた生物(恐竜やアンモナイト),すなわち古生物を研究し,これまでの生物の全貌を明らかにする学問である.古生物が我々の目の前に現れるのは、化石としてだけである. しかも化石として残る確率は非常に低い.

そのほとんど残る確率が無い古生物を研究するのはかなり大変である.DNA解析なども,古生物にはほとんど通じない(映画「ジュラシックパーク」では,琥珀中に保存された蚊の化石の血液からDNAを取り出していたが,あれはごく稀なことである.たとえ取り出せたとしても役に立たないことがほとんどである).

古生物を研究すると何が分るのか.過去の地球上に生息していた生物の全貌と言っても何のことやら分らない.それはつまり,生命とは何か?進化とは何か?どんな自然史があったのか?を明らかにすることである.もちろん,生命の起源が地球上にあるとは限らないので,古生物学者の研究フィールドは地球に限定されているわけではない.

すなわち,生命とはなにか?という究極の目的に向かって,自然と向き合い,多様な分類群(生物の)を様々な手法を用いて研究し,生物の生態や生息環境,進化を明らかにするのが古生物学である.

古生物学がカバーする分野は非常に広い(下図参照).古生物から得られた情報は非常に重要で,生命の起源や進化だけではなく,化石から復元される当時の環境であったり,生物そのものの生態や適応なども明らかにすることができる.

古生物学と関連分野

古生物学という学問は実は非常に多くの学問と連携がある.というより,多くの関連分野を知らなければ古生物学を研究することは難しい.

古生物は,当然生物であるから,現生生物学の知識や手法は欠かせない.  現に多くの古生物学者は現生生物の研究もしていて,現生生物で得られた知見をもとに化石に応用し,過去の生物を復元しているのである.逆に,古生物から推定されたことを現生生物に応用することもあります.

また,化石を扱うわけであるから,地質学,堆積学,層序学は必要な学問であり,これらの学問への古生物学からの貢献も少なくない.

下の図は,古生物の関連分野の一例であるが,自然科学すべてが古生物学に関連しているといっても過言ではない.

古生物学者は探偵さん?

古生物学者は地球史、生命史の探偵です。限られた情報(化石や地質構造)から、当時の地球や生命について推測するのです。その推測は限りなく真実に近いかもしれませんが、あくまでも推測です。しかし、古生物学者は真実に少しでも近づけるように、いつも努力&研究しています。