古生物学を学べる大学−古生物の部屋

古生物学を学べる大学

「古生物学を専攻したいけど,どこで古生物学を学べるかわからない!」といった方のために古生物学が学べる大学のリストを作ってみました.

リストから漏れていたり,間違いを見つけた場合,お手数ですが,こちらまでご連絡ください.

古生物学という学問は地質学,地球科学に組み込まれていることが多いですが,生物学と一緒になっている場合もあります.また,一般教養科目として開講されていることもあります.

古生物系で大学や大学院に進学する場合は,単に「古生物学」の講義を聞きたいのか,「古生物学」分野を学部の研究テーマとして選びたいのか,古生物学者を目指したいのか,によっておのずと進学先が限られてきます.

また人事異動や定年などで古生物系教員がいなくなっている(いなくなる)場合があります.受験生は事前に必ず自分で調べ,教員とコンタクトをとるようにしてください.特に大学院受験においては,受験前に教員と相談し,自分の目指す研究や分野と教員の興味が合致するか確認しましょう.研究テーマうんぬんの前に教員との相性が一番大事な気もします・・・・.

北海道・東北地方

北海道大学大学院理学院自然史科学専攻地球惑星システム講座

地球システム進化研究グループ沢田先生,渡邊先生がおり,有機物や生体鉱物をターゲットにして(古)生物生態や環境変遷などの研究が行えます. ンモナイトやベレムナイトなどの生物進化,白亜紀などの古環境を研究している伊庭靖弘先生もいます.

博物館に恐竜研究を推進している小林先生がおります.

北海道教育大学札幌校教員養成課程理科グループ(理科教育)

教員希望者向け.鈴木明彦先生は軟体動物専門.

北海道教育大学釧路校

新生代軟体動物化石の分類が専門の松原先生がいらっしゃいます.

北海道教育大学函館校

放散虫の層序が専門の紀藤典夫先生がいらっしゃいます.

東北大学理学部地球科学系 大学院理学研究科地学専攻

井龍先生が石灰岩やサンゴ礁を対象に気候変動や古生態学,高嶋先生が層序学,黒柳さんが有孔虫生態.放散虫の鈴木紀毅先生,サンゴの浅海先生,高柳先生はサンゴなどを利用した環境復元を行っています.

佐々木理先生はマイクロX線CTを利用して有孔虫を研究しています.

山形大学理学部地球環境学科 大学院理工学研究科地球環境学専攻

ジョルダン・リチャード先生が珪藻化石を,本山先生が放散虫化石を用いて古環境の解析を行っています.

関東地方

東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻理学部地球環境学科

私が終了したところ(修士と博士).古生物系教員として遠藤一佳先生(分子進化学,腕足動物,殻形成メカニズム),佐々木先生(軟体動物の分類,殻形成;博物館所属),平沢達矢先生(脊椎動物の発生や骨の機能)がおられる.

東京大学大学院総合文化研究科広域科学科自然体系学大講座,教養学部広域科学科

生物大量絶滅事変などの地球史上のイベントを特に取り扱っている(磯崎先生と小宮先生).野外と室内をバランス良く組み合わせた研究ができると思われる.

東京大学大学院生物学科,生物科学専攻(大学院)

遠藤秀紀先生(哺乳類),諏訪元先生(人類学)がおられる.現生を中心としつつも化石を含めた進化形態学が学べると思う.

さらに,東大大気海洋研究所の狩野先生(分子と形態から見た腹足類の進化),中央大学の西田先生(古植物学))などの方々も連携教員になっている(と思う).

東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻

現生・化石の生痕化石研究を推進している清家弘治先生がおります.

東京学芸大学教育系および自然科学系広域自然科学宇宙地球科学分野

自然科学系には高橋先生(微古生物学)がおられる.

早稲田大学教育学部理学科地球環境専修,大学院創造理工学研究科地球・環境資源理工学専攻

学部は教育学部だが,大学院では創造理工学研究科に移る.守屋先生(アンモナイトや微化石,堆積性有機物を利用した白亜紀の生物の古生態や環境復元)がおられる.

国際教養学部にはカメがご専門の平山先生がおられる.

筑波大学生命環境学群地球学類 生物圏変遷科学分野(地史学・古生物学分野)

微古生物学として上松先生(コノドント,層序)がおられ,恐竜生態(特に卵)について田中先生がおられる.
また,国立科学博物館の甲能先生(古脊椎動物学)や重田先生(アンモナイト,生層序)の先生の指導も受けられる(はず).

筑波大学には小薮先生もおられる(どの学科で小籔先生の指導を仰げるのかは不明).

横浜国立大学教育学部学校教員養成課程 および 大学院環境情報研究院

古生物系教員として教育学部に河潟先生(有孔虫,微古生物学,古環境),大学院環境情報研究院に和仁先生(アンモナイト,オウムガイ,白亜紀層序,タフォノミー)がおられます.

千葉大学理学部地球科学科

小竹先生(生痕化石),亀尾先生(ナンノプランクトン,微生物学),高木悠花(有孔虫と古環境解析)がおります.

千葉大学教育学部理科教育講座

泉先生(生痕化石)がおります.

千葉大学園芸学部緑地環境学科緑地科学プログラム

百原新先生(大型植物化石)がおられる.植物化石から古生態や古環境の復元を行っておられる.

茨城大学理学部地球環境科学コース

堆積学と古生物学を組み合わせて層序学や堆積盆の変遷と古生物の応答などを研究している安藤先生がおられる.

神奈川大学理学部生物科学科 大学院理学研究科生物科学専攻

生物学科ではあるが古生物系教員として,佐藤たまき先生(首長竜を中心とした古脊椎動物学),元国立科学博物館の加瀬先生(軟体動物学)が非常勤でおられる.

東京都市大学知識工学部自然科学科

中島保寿先生(骨学,古脊椎動物学)がおられる.

日本大学文理学部地球科学科

中尾有利子先生(貝形虫,古環境)がおられる.

日本大学生物資源科学部

小沢広和先生(貝形虫,古環境)がおられる.

中部・東海地方

静岡大学理学部地球科学科および教育学部

若手古生物系教員が多く活気があるように思う.教官の数も多い.地球科学科では環境変動と生物応答,微古生物学,古生態学分野などと非常に幅が広い(塚越先生,北村先生,鈴木先生,佐藤先生,池田先生).教育学部の理科専修(延原先生;軟体動物,古生態)でも古生物学を学べる.

名古屋大学大学理学部地球惑星科学科地質・地球生物学講座

氏原先生(プカプカ(浮遊性巻貝のこと)),林先生(軟体動物の系統),藤原先生(動物の筋骨格,古脊椎動物;博物館所属),高橋聡先生(環境変動)がおられる.

信州大学理学部地球学コース

山田桂先生(微古生物学,貝形虫)がおられる.

愛知教育大学地学教室

どうやら古脊椎動物を研究できるらしいが,私は面識がないので詳細不明.

富山大学 理学部自然環境科学科教育学部都市デザイン学部地球システム科学科

理学部には放散虫などの微化石を中心に研究している柏木 健司先生が,教育学部には古脊椎動物学を専門にする河村 愛 先生が,都市デザイン学部には白亜紀の厚歯二枚貝や化石・現生の生痕化石研究をしている佐野 晋一先生がおられます.

金沢大学理工学域地球社会基盤学類類地球惑星科学コース(学部) 自然科学研究科自然システム学専攻地球環境学コース

貝形虫の進化研究(神谷先生),有孔虫などを用いた地球環境変動の研究(長谷川先生),有孔虫を用いた第四紀環境変動研究の佐川先生,極限環境生態系(冷湧水・熱水性生物群集,鯨骨・竜骨群集,沈木群集)の進化研究(私,ロバート・ジェンキンズ)ができる.

新潟大学理学部地質科学科 大学院自然科学研究科環境学専攻

松岡先生(放散虫,アンモナイト),栗田先生(渦鞭毛藻),栗原先生(放散虫),椎野先生(腕足動物,三葉虫などの機能形態学)がおられる.

福井県立大学恐竜学部(仮称)※2025年4月設置予定

恐竜額研究所スタッフが教員になるとすれば,西 弘嗣先生(有孔虫などの微化石や地球環境変遷),柴田正輝先生(恐竜),河部壮一郎先生(恐竜や鳥類の生理生態),今井拓哉先生(恐竜の卵殻),服部創紀先生(獣脚類の筋骨格系)がおられる.学部誕生の際にはさらに教員が増強されると予想される.

近畿地方

京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻

生形先生(機能形態学),松岡先生(脊椎動物(ほ乳類や鳥類など))がおります.堆積分野ですが,生痕化石などは成瀬先生の元で学べます.

※京都大学霊長類研究所は東海地方欄をご覧ください.

大阪市立大学理学部地球学科大学院理研究科生物地球系 地球史学研究室

江崎先生(サンゴ類などの礁形成生物の進化)がおられる.
また,2018年より理学部付属植物園に山田敏弘先生(古植物学,種子から探る植物の進化)が赴任している.

大阪市立大学

三重大学教育学部・大学院教育学研究科

軟体動物の分類がご専門の栗原先生がおられる.

中国・四国地方

高知大学理工学部生物科学科

軟体動物学の近藤先生,生痕化石の奈良先生がおられる.

愛媛大学理学部地球科学科

鍔本先生(古脊椎動物学),堀先生(微化石),岡本先生(アンモナイト,機能形態),楠橋先生(中生代哺乳類)などを学ぶことができる.

山口大学理学部地球圏システム科学科

いくぶん堆積学よりであるように思われるが古生物学も学べるようである.

兵庫教育大学自然系コース

放散虫を扱った層序学などを学べると思われる.

島根大学総合理工学部地球環境資源学科

微古生物学を専門とする教員が数名いる.

鳴門教育大学自然系コース

二枚貝がご専門の香西先生がおられる.2013年4月からはサンゴ研究者の足立先生が加わる.

岡山理科大学生物地球学部生物地球学科

2012年4月に誕生した学科ですが,2014年4月からはさらに恐竜・古生物学コースが誕生するとのこと.

教員などは不明です.林原自然科学博物館と連携を図るらしいです.

九州・沖縄地方

九州大学大学院理学部地球惑星科学科,理学府地球惑星科学専攻

地球進化史研究室,古環境学研究室,地球惑星博物学研究室にそれぞれ古生物系の教員がいる(佐野先生,岡崎先生,下山先生,前田先生).前田先生はアンモナイトがご専門.

熊本大学理学部,大学院自然科学研究科

有孔虫解析による環境変動(長谷川先生,秋元先生)や中生代軟体動物(小松先生)の研究が可能.また,サンゴなどの礁性石灰岩についての研究も可能である.

鹿児島大学理学部地球環境科学科

古脊椎動物を研究している仲谷先生がおられる.

福岡大学理学部地球圏科学科

微化石やサンゴ化石を用いた環境変動(上野先生,杉原先生)),古脊椎動物学(田上先生)の研究などを行っている.

琉球大学教育学部

貝形虫がご専門の田吹先生がおられる.