最古の化石
はじめに
「生命の起源」.この言葉には底知れぬ魅力がある.我々はどこから来たのか?地球上の生命はどこで,どのようにして誕生したのだろうか.
現在,生命の起源の証拠として,同位体比や有機物,DNAの分子時計などから様々な推察がされている.ここでは,化石からの証拠を紹介する.
最古の化石
Schopfによって報告された最古の化石
右の図は,現在もっとも信頼できる最古の化石です.これは,西オーストラリアで発見された約35億年前の化石で,J. William Schopfによって,1993年にScienceに論文が掲載されました.当時はいぶかしがる研究者もいましたが,現在ではもっとも信頼できる最古の化石として信じられています.
これより最古の化石は見つかっていませんが,生命の痕跡を示す化学的な証拠がグリーンランドのイスア(Greenland, Isua)の約38億年前の地層から見つかっています.これについてはまたの機会に解説したいと思います.
引用・参考文献
J. ウィリアム ショップ, 1998, 失われた化石記録, 講談社現代新書, pp.342
J. William Schopf, 1993, Microfossils of the Early Archean Apex Chert: New Evidence of the Antiquity of Life, Science, 260, 640-646
J. William Schopf, 2000, Solution to Darwin's dilemma: Discovery of the missing Precambrian record of life